技術的背景

私たちが「箱庭」の構築を目指すことに至った背景を紹介します.

IoT (Internet of Things) は,情報技術の総合格闘技と言えます.
IoTシステムは,多様かつ大量の情報機器が,ネットワーク通信を介して密接に絡み合っています. 様々な技術分野から多くの技術者が集まり,みんなで英知を結集してIoTシステムを構築する必要があります.

例えば自動運転システムの例を考えてみましょう.このように様々な技術領域を横断しています.

  • 組込み系
    • 自動運転の判断処理を実現するソフトウェアの開発
    • ECU間の通信機構の開発
  • 制御系
    • メカやエレキを制御するECUハードウェアの開発
  • IT・ネットワーク系
    • Web UI・スマホアプリケーションの開発
    • ビッグデータの統計処理を担うクラウドサーバの管理・保守
    • 車車間・機器間の効率的な通信制御の実現
  • アプリケーション系
    • 配車管理や交通流管理アプリの開発

このようなIoTシステムを構築する際の課題として,下記が考えられます.

  • 問題発生経路の複雑化
    • 全体結合しないと見えない問題が多数潜んでいる
    • 様々な機器間の整合性を取れない
  • 原因調査の複雑化
    • どこで何がおこっているのか調査困難
    • そもそもデバッグすること自体が難しい
  • 実証実験のコスト増
    • 実証実験は手軽に実施できない
    • 各分野のエンジニアの総動員
    • 手間,時間,費用がかかる

次に,ロボットを活用したIoTサービスの構築時に起こりえる課題を考えてみましょう.

  • ロボットをどう組み合わせると,効果的な新しいサービスを創出できるかわからない
  • 新しいサービスを検討するにしても,実物のロボットでは準備・手間がかかりすぎる
  • 頻繁に変更されるシステム要件に対して,変更適用に時間がかかる
  • 実証実験時には結合トラブルが頻発する

「箱庭」は,このような技術的課題を解決し,IoTのシステム開発/サービス構築を加速化することができるプラットフォームとなること目指します.